こころのそえぎ(福本早穂)です。
子どもがある日急に
学校へ行けなくなったときの
衝撃は、
忘れられないものです。
その日から
親子の葛藤があり、
母親と周囲の大人との軋轢があり、
不安や焦り
など
心の葛藤を経た末に、
「学校へ行くこと」以外は、
普通に暮らしている
という状態を「安定期」と呼んでいます。
「安定期」については、こちらを読んでください。
「不登校の回復段階を知ってください。」
<安定期初期に
登校を期待する母親>
枯れそうになっている苗木に
慌てて
水をやったり、手当をして
やっと葉を広げて立てるようになった状態が
「安定期」に入った状態です。
でも、ちょっと陽に当てすぎたり、
水が少なかったりすると、
すぐにまた
元気を失ってしまいます。
母親は、そうならないように
気を抜けない時期ですね。
しばらくして、
苗木がしっかりしてくると、
もうそろそろ学校に行けるんじゃないか
と母親の心の中に
淡い期待が芽生えてきます。
そういうとき、
子どもに言ってしまうことがあります。
「今度、体験学習があるんだって。
楽しいって先生が言ってたよ。
勉強じゃないから行けるんじゃない?」
子どもの方でも、
「楽しいってなんで先生にわかるの?」
と
以前には言えなかった
口返答ができるようになっています。
こうなるまでに、
大抵、半年以上かかっています。
家で長い安定期を過ごして、
学校に行くということは、
木を移植するようなもの。
苗木が成長して、
移植後の環境の変化に
適応できる力をつけないと
急な変化に耐えられないので、
移植しても、
枯れてしまうことになると思います。<周囲に理解されないつらさ>
安定期中期になると、
家に居る子どもを受け入れられる
ようになります。
どうしたって、
子どもは学校に行けないのだ
ということが親にわかってきて、
諦めがつき、
心が安定してきます。
そして、
みんなが学校に行っている時間に
親子で遠出をしたり、
映画を見に行ったり、
できるようになります。
そういう姿をみた人から、
「親が学校に行かなくてもよいと思っている」
と言われたりします。
初期には理解のあった祖父母からも
「いい加減に行かせたらどう?」
と催促されることもあります。
自分のきょうだいから
「ずっと休んでいて、どうするの?」
と聞かれたり、
自分のきょうだいはわかってくれても、
その配偶者が
「もっと厳しくしないと
いつまでも行けないだろう」
と言ってたりします。
そう言われても、
毎日身近に子どもをみている
母親からすると、
やっとここまで元気を回復して
親子でなんでも話せるようになれたのに、
無理に行かせようとしたら、
またあの葛藤状態にもどるんじゃないか
と思うと怖いのです。
行けなくなった当初の
子どもの憔悴しきった様子が、
脳裏に刻まれていて
無理な登校刺激はできない
ということもあります。
<家にいても
子どもは成長している>
家でスマホやPC、まんがばかり
見ているようでも、
子どもが新しい知識を得たり、
前にはできなかったことが
できるようになっていたりすると、
成長を感じることがあります。
家で成長してるなら
今は学校に行かなくてもいいのかな
と親が思えるとき、
ほんとうに
子どもを受け入れられるように
なったんだと思います。
そんなふうに
ひ弱だった苗木が
しっかり根付いて
だんだん大きくなり、
家(植木鉢)が窮屈になったら、
移植してもよいときなんですね。
なので、
移植の時期は
他人からは目に見えないし、
傍にいる親にも
はっきりとはわからない。
本人の感覚次第
というのが、
長年サポートしてきた私の実感です。
と言いつつ、
日常の変化や
親子のやりとり
子どもの言動から
そろそろ動き出す時期かな
という見当がつくように
なってきました。
継続して、子どもの様子を
聞かせてくださると
回復過程の推移を
親御さんと共有することができます。
不登校ひきこもり相談「こころのそえぎ」
(福本)は、
そんな伴走をしたいと思っています。
「こころのそえぎ」HPはこちら
同じ親の目線でおしゃべりできる親の会
「親子支援ネットワーク♪あんだんて♪」
にもお越しください。HPはこちら
<関連記事>
回復段階を知っていると
すこし余裕をもって、
子どもを見守れるようになります。
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<参考図書>
不登校でも子は育つ ~母親たち10年の証明~
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