こころのそえぎ(福本早穂)です。
今日は、引き続き進路の問題を取り上げたいと思います。
中3になると進路選択の時期がやってきます。
このとき、不登校の回復段階によって
選択の基準がちがってくると思います。
回復段階の詳細はこちら
不登校の回復段階を知ってください
「行きしぶり」~「葛藤」の段階ですと、
子どもに進路のプリントを見せるのも
はばかられると思います。
子どもが落ち着いてきたころを見計らって、
学校からのプリントや
先生から聞いた情報を伝えておきます。
「今は考えられないと思うけど、
一応伝えておくね。
お母さんにできることあったら、
いつでも言ってね」
くらいに留めておいた方がいいと思います。
<進路選択は子どものペースに合わせて>
でも、親御さんは
不登校の子どもがよく行っている
通信制高校などの説明会に行って、
情報を集めて
心の中で温めておいてください。
子どもが「安定期」に入っていて
学校以外の話は普通に会話できる状態ですと、
タイミングをみて、
「高校に行きたいと思ってる?」
と聞いてみて、
子どもが話をしても良さそうだったら
子どもの不安や希望を聞いてあげてください。
子どもには、高校の情報が入ってないので、
不安がふくれあがり、
自分に行ける高校はないんだと
心を閉ざしている場合、
「高校には行かない」という子どももいます。
そういうときは
「今はそうなんだ。」
とあっさり引き下がったほうがいいです。
子どもは同年代のみんなが高校に行くことを
重々わかっていて、
落ちこんだり焦りの気持ちが出てきたりしています。
<進学への不安を一つずつ解消>
Nさんの息子S君は、
進学はしないと言っていましたが、
ある日
「ぼくなんかどこにも行ける学校はないんだ。
どうしたらいいのかわからない!」
と泣き出しました。
Nさんは、それまでに
高校の説明会や
個別相談に行っていたので、
落ち着きはらって、
「あれ?行ける高校あるよ。
今の学力でいいし。試験もないよ」
と言いました。
「え、ほんとう?」
そんな会話の後、
S君とNさんは、高校見学に行き始めました。
長い安定期を経て
始動期にさしかかっているN子さんは、
親と一緒に高校見学や
通信制高校合同説明会に
行っていました。
その中で、
小学校低学年から長期に
休みがちだったN子さんは、
「高校では、普通の学校生活を経験してみたい」
と
全日制高校普通科を
受けてみることにしました。
入試があるので、その時から
個別の塾で勉強をはじめて、
入試に臨み合格しました。
<不本意な進路選択に悩む子ども>
中学での不登校の場合、
偏差値の低い学校に行くことが多いですね。
世間一般の高校格差を刷り込まれている子どもにとって、
不本意な進学かもしれません。
あるいは、
やっと志望の高校に合格したのに
行けなくなり、留年が決まった場合、
通信制に転学するのは
子どもにとってつらい挫折の経験です。
そんなときは、
今の不本意な状態が一生続くのだと
不安になっています。
「いろんな人生があるし、
この先どんな出会いがあるかわからない」
などと大人の経験を言ってみても、
落ちこんでいるときは、反発されるだけです。
子ども自身がたくさんの経験を積み重ね、
人に出会い、
本を読んだりして
さまざまな選択肢や人生があるのだと
わかってくるまで、
親は寄り添いながら待つしかありません。
周りとくらべて、
落ち込んだりイライラしたりあせったり
そういうときは、
「かわりたい」「成長したい」と思っているからこそ
そんなふうになっているんだ、
と肯定的に考えられるといいですね。
子どもが苦しんでいるとき、
親も一緒に落ち込みますが、
そこは人生の先輩、
既定の進路へのこだわりを捨てて、
親自身がいろいろな選択をして、
不本意なときもがんばって
すごして来た姿が見えれば、
子どもも自分の将来に希望が
持てるのではないでしょうか。
長い人生の道のりで、
不本意なことを
受け入れざるを得なかったり、
挫折があったりと、
さまざまな試練があるでしょう。
そういうとき、
不登校を乗り越えた経験が、
かならず生きてきます。
親の方にも、そんなふうに
成長していくわが子を
信じる力がついてきます。
とはいえ、渦中にあるときは、
だれでも視野がせまくなり、
落ち込みから出られなくなります。
同じ経験をした人と話せる親の会や、
不登校の子どもの成長をみてきた専門家、
カウンセラーなど
いろいろな助けを借りて、
心に余裕を持てるようにしてください。
外の心地よい風を家に持って帰ってくださると、
家に居る子どもも変わっていきます。
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こころのそえぎ
もぜひご活用ください。
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<進路に関連する記事>
<関連図書>
不登校の子どもの進路選択の
例がいくつか載っています。
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