こころのそえぎ(福本早穂)です。
中3の2学期末の三者懇談では、
最終的な進路決定を迫られる時期です。
まったく学校に行けていない
子どもにとって、
懇談のために教室に入る
ということもつらい場合があります。
高校入学に向けて
今から少しずつでも出席できるように、
と思われる親御さんや
先生がいらっしゃいますが、
今無理に登校を促して
エネルギーを消耗するより、
高校入学までに
エネルギーを充電しつつ
通信制単位制、定時制も含めた
高校の進路を伝えていく方が
いいのではないかと思います。
<回復段階に応じた進路選択を>
三者懇談に行けない状態は
回復段階の安定期中ごろまで
ではないかと思います。
始動期に入っている子どもですと、
三者懇談に行けることが多いのです。
回復段階の概念がないと、
先生によっては、
「本人が来れないようでは
話になりませんね」
と親に言われることもあり、
親が子どもにプレッシャーを
与えてしまいます。
こちらの記事もお読みください。
「不登校の回復段階を知ってください。」
「不登校でも子は育つ 」の
回復段階表をご覧いただいて、
今の子どもがどの段階にいるか
判断していただくと、
進路選択にも生かせると思います。
始動期に入っていると、
昼夜逆転していても、
自分で決めた高校に入学すると、
朝起きていけるようになる
子どもが多いです。
安定期初期から中期くらいですと、
高校入学後毎日通学することよりも、
休みながら徐々に通学や学校の
雰囲気に馴染んでいくことを
主にして行った方が続くようです。
<対人不安と学力への不安>
学校選びの基準は、学力の不安と対人不安がどの程度あるのか、
ということが選択するときの
ポイントになると思います。
不登校を経験すると同年代が苦手になります。
同年代が集まった教室にいられないほど
しんどくなって学校に行けなくなっているので、
同じような環境ですと、
また行けなくなる確率は高くなります。
全日制高校は、
そういう意味でハードルが高いですね。
学年制ですと、
出席日数の壁にすぐに直面し、
苦しんでいる子どもが多いです。
一方、通信制単位制高校は、
以前にもまして新しい高校が
参入してきています。
たくさんありすぎて、
どこを選んだらいいかわからない、
という声もよくお聞きします。
あまり大人に構われたくない
元気な子どももいれば、
中学時代のつらい経験によって
同年代の集団が怖いという子どももいます。
大規模校、中規模校、小規模校によって、
一人ひとりにかかわる手厚さも違います。
先生一人あたりに、生徒の数が
どれくらいなのかも目安になります。
学力の面でも、
中学でできなかったところから
1対1、あるいは少人数で
復習するシステムがあるかどうか、
もポイントです。
自習室で勉強しているところに
先生がときどき行くので、
質問したら教えます、
というふうな場合、
気後れしがちな不登校の子どもは、
気軽に先生に声をかけられないのです。
<最終的に決めるのは本人>
まれですが、
友だちとの関係が良好な不登校の場合は、
ある程度人数の多い学校で、
好きなスポーツなどできるところがお勧めです。
好きなことやりたいことができるかどうか、も
選択するときのポイントです。
親御さんが個別相談のとき、
子どもが好きなこと、
はまっていることなど、
先生に伝えると、
同じような趣味や
好きなことをしている生徒の話を
してくれるかもしれません。
大規模校、中規模校、小規模校の
それぞれのメリット、デメリットを考慮して、
先に親御さんがいくつか
子どもさんに合いそうなところを
ピックアップして
個別に相談に行かれることをお勧めします。
3つくらい決まったら、
タイミングをみて
子どもさんに一番合うと思われる高校から
一緒に見学に行くといいと思います。
そして、最終的に子どもさんが
「ここならいけそう」
「ここに行きたい」と
自分で決めて行くと続くことが多いです。
子どもが自分に合うと思える高校を選べるよう、
サポートすることが親にできることだと思います。
今学校に行けないと、
高校に行くことは無理だと言われたり、
心配する親御さんもいますが、
今無理して登校を促すことで
子どものエネルギーが
充電できなくなってしまい、
やっと高校入学は果たしたけれど、
その後の通学が続かないこともしばしば聞きます。
子どもの動きに合わせて、
サポートしてあげて頂きたいと思います。
進路選択は大事な時期です。
ひとりひとりの事情に合った選択を
していただきたいので、
もし進路選択に迷ったら
「こころのそえぎ(福本)」にも
よろしければご相談ください。
12/1(土)の
不登校相談会にもお越しください。
詳細はこちら
12/2(日)の
親子支援ネットワーク♪あんだんて♪の
進路相談会もおすすめです。
詳細はこちら
<関連記事>
<関連図書>
不登校の子どもの進路選択の
例がいくつか載っています。
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