こころのそえぎ(福本早穂)です。
全日制高校で不登校になり、
通信制単位制に転学された
Aさんのお母さんから
うれしいメールを頂きました。
高1の3学期から行けなくなった
Aさんは、
高2に進学するにあたり、
通信制に転学しました。
前の高校は、
勉強も部活も力を入れていたので、
朝練、夕練で疲れて帰っても、
まじめなAさんは
毎晩夜中までかかって
山のような課題をこなしていました。
やがて
疲れがピークに達したのでしょう。
冬休み明け、
とうとうAさんは、ベッドから
起き上がれなくなってしまいました。
<通信制高校との出会い>
学校に行けなくなって、1か月ほど経った頃、
Aさんはネットで見つけた
通信制高校を見学したいと
お母さんに言いました。
お母さんは、
Aさんのつらい様子を見ていて、
今の高校を続けるのは無理かなと
思い初めていたので、
一緒に見学することにしました。
見学に行った高校の先生が
今のAさんの状態をきいてくれて、
転学してからの不安や心配なことも
懇切丁寧に、
説明してくれたので、
Aさんもお母さんも
安心してそこに転入することにしました。
4月になって、
新しい学校に
行き始めたAさんでしたが、
1週間ほどすると、
続けられなくなってきました。
環境が変わり、
課題も少なくなり、
身体はらくになったはずなのに
なぜか行くことができない。
自分で決めた高校なのに、
なぜ行けないんだろう。
という思いが
なおさらAさんを苦しめています。
理解を示してくれた両親、
学費の高い通信制に転学することを
赦してくれた両親に
申し訳ない思いでいっぱいで、
気持ちは焦るのですが、
そうなると、
よけいに心身の葛藤状態がひどく、
家を出られない日がつづきました。
そんな時、
お母さんと一緒に
Aさんは、「こころのそえぎ」(福本)に
カウンセリングに来てくださいました。
<毎日行かなくてもいい>
そこで、わたしはAさんが、前の高校で
長期にわたって、
過度なストレスがかかっていたこと、
ぎりぎりまでがんばって
疲労が限界をこえてしまったこと
などから
転学は早く決めたけれど、
本当は、半年から1年くらい
家でゆっくり休んでからでないと
動き出すエネルギーが
溜まってこない
ということを伝えました。
Aさんの場合、
回復段階からいうと、
葛藤状態から安定期の入り口くらい
その時期に転学を決められるほうが、
珍しいのです。
なので、
今後の過ごし方は、
できるだけ安定期の状態に
近付けるほうが望ましいのです。
つまり、
全日制高校の通学とは、
発想を変える必要があります。
毎日通学しなければならない
という意識を外して、
高校卒業に向けて最低限必要なことはなにか
を考える。
1年目は、
エネルギーを貯めることを
中心に考えて生活する。
最低限のレポートを出す。
成績は気にしないで
単位を取るための試験を受ける。
学校に行くのは、
レポート提出と試験を受ける日だけでもよい。
もちろん、好きな科目や
やりたい課外授業があれば、
行けたらOK。
家では、
好きなことやりたいことを
なんでもやってみる。
ゲームや動画でも結構。
<自分探しの一年に>
1年かけて、自分はこういうことが好きなんだ。
これをもっと知りたい。
気が付いたら、これにはまっているな。
というふうに、
好きなことやりたいことをして、
自分に合っていることを見つけるための、
自分探しをするための、
一年にしたらいいのではないか。
そんな提案を
Aさんとお母さんにしました。
お二人共、よく理解してくださって、
Aさんはその後、
自分の調子を見ながら
無理しないで
ぼちぼちと通学していたようです。
ご両親も、
心配しながらも
登校刺激はせず、ゆっくり
Aさんの回復を
見守ってくださいました。
転学して今年4月から2年目に入り、
Aさんは、通学日が増え、
レポート、試験、スクーリングも
順調に行っているそうです。
そして、大学で勉強したいことも
決めていると聞きました。
<回復段階に見合った通学>
不登校からの進学、転学の場合、本人の回復段階によって、
柔軟に通学していったほうが
続けられるのです。
Aさんのお母さんから、
あのとき相談に行ってよかったと
お礼のメールをいただき、
私にとっても、
喜び多い1件でした。
不登校を経験して
転学、進学したけれど、
行きづらいとき、
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一度ご相談ください。
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<参考図書>
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