こんにちは。
こころのそえぎ(福本早穂)です。
4月に入り、新学年が目の前ですね。
小学校から中学
中学から高校
高校から大学へと
不登校からの進学を迎える人もいるでしょう。
以前にも、再登校(進学)を控えて
不安を感じていらっしゃる方へ
記事を書いていますので、お読みください。
<本人と親とのギャップ>
S子さんは、娘のYちゃんが小学校6年から長い不登校期間を経て、
初めて高校に登校した日
「まだぁ~。早く出てよ~」
という声に感動!
父親の出勤時間と登校時間が近いので、
朝のトイレが込み合うのです。
そして、
「行ってきまーす」
何年かぶりに聞くであろう声。
本当にこんな日が来るんだ!
と、うれしさいっぱいでした。
最初の1~2週間くらいは、
ちゃんと馴染んでいけるだろうか?
と心配しながら見ていましたが、
あんなに昼夜逆転していたのが
うそのように
Yちゃんは、自分で起きてきて、
毎朝出かけていくのでした。
1か月ほど経つと、
S子さんの中で
「もうあの子は大丈夫、
中学時代あんなにゆっくり
休めたんだから」
と安心感が広がり、
Yちゃんが登校することが
当たり前になってきました。
<自分とクラスとのギャップ>
ところが、4月末から5月上旬にかけて、ゴールデンウィークを過ごし、
明日から学校という日に、
Yちゃんは、
「学校がしんどい」
と泣きだしました。
Yちゃんが、とぎれとぎれに
話してくれることから
わかったことは、
Yちゃんは入学前から
「自分は学校で本当に
やっていけるのだろうか」
と不安だったのです。
学校というところは、
同じ年齢、同じ経験をしてきた人の集まりです。
他のコミュニティにはない場と言えます。
そこから、長い間離れていたので、
同年代との付き合い方がわからない、
砕いて言うと、「ノリ」がわからない。
「ノリ」=空気が読めない、
ということが
中高生にとっては、
クラスの中で浮く要因に
なったりします。
「みんなに合わせないといけない」
と神経をつかっているので、
教室の中にいるだけで
疲れてしまうのです。
<慣れないことの連続>
授業を受けることも久しぶりなので、
先生の一挙手一投足を
緊張してみています。
また、Yちゃんは通学時間が長く、
ラッシュ時の電車にも
慣れていかなければなりません。
毎日元気そうに登校していたけれど、
「1日でも休んだら、
また前のように行けなくなってしまうかも」
と必死でがんばっていたのです。
S子さんは、
Yちゃんが、そんなふうに
ぎりぎりの思いでがんばっているんだと
初めて気が付きました。
小学6年のとき、
学校、塾、お稽古事
なんでも気を抜かずに
一生懸命がんばっていたYちゃんが、
だんだん学校に行けなくなってしまったのを
S子さんは思い出しました。
もともと、「ちゃんとしなきゃ」
という思いが強いYちゃんだから、
学校での気の抜き方がわからなくて、
ずっと神経を張り詰めて
いたのかもしれません。
S子さんは、
「Yがそんなにがんばってたなんて
知らなくてごめんね。
これから、しんどいときは休みながら
だんだん学校生活に慣れていこうね。
がんばらなくていいよ。」
と、言いました。
頑張りすぎて不登校になる
「息切れタイプ」の子どもは、
力の抜き方がわからず
「いい加減」にできない
ようです。
頑張って、疲れた時休めると、
また動き出すことができます。
<気の抜き方を身に着けていく>
そうやって、TRY & ERROR
をくりかえしながら、
「これ以上がんばると動けなくなる」
状態がわかってきます。
つまり、みんなと同じではない
「自分のペース」
が掴めるようになります。
逆に
「みんなと同じようにしなきゃ」
と自分にプレッシャーをかけている間は、
疲れて休んでいる状態を
「怠け」と感じてしまい、
心身が休まらないので、
そのまま動けなくなってしまうのです。
不登校を経験した社会人に
再登校の時期を聞いてみると、
親は「エベレスト単独無酸素登頂」
に挑んでいるんだ
くらいの認識を持ってもらいたい
と言います。
そう思うと、週1日でも
めざす頂上に
向かおうとしている子どもが
健気に見えてきませんか?
<頭で理解しても・・>
そうは言っても、
高い入学金、学費を払って
懐の痛む思いをしているのは親です。
頭では分かっても、
学校に馴染めない子どもを
なかなか受け入れられない
こともあります。
そんな思いを吐露しつつ、
一緒に今後を考えていきましょう。
こころのそえぎ(福本)
はそんな親御さんの思いに寄り添い、
一人一人ちがう事情や背景をお聴きして、
子どもにとって何が最善かを
一緒に考えていきます。
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