2018/08/03

「学校復帰のみ」にこだわらない新しい不登校対応

こんにちは。
こころのそえぎ(福本早穂)です。
今日は珍しく、ちょっと硬い話です。
これを見ると、
不登校を「問題行動」とみなさない。
支援においては、「学校復帰のみ」を目指さない
ことが明記されています。

福本が代表を務める
不登校ひきこもり支援ボランティア団体 
「親子支援ネットワーク♪あんだんて♪」
では、設立当初から
この姿勢で活動をつづけてきました。






「やっと文科省がわかってくれたかな」
と思いつつ、
少し前の学校復帰をめざした
「早期発見/早期解決」を思うと
方針の急転換に少し驚いています。

現場の先生方や支援の方々も
とまどっていらっしゃるかもしれません。

ただ、これまで見聞きしてきた
子どもたちの苦しみを思うと、
学校が「絶対に行かなければならないところ」
ではなくなる意味は大きいと思います。

完全に行けなくなって、
一番苦しい時期には、
(行かなければならないところだから)
 行きたい。  でも、 行けない。

という葛藤状態で心身が引き裂かれていますから、
「(今は)行けなくてもいいんだ」
と思えると、
後の回復がより順調に経過すると思います。

この通知によって、
毎年繰り返される
夏休み最後の日
子どもが自ら命を絶つ哀しい事件が
なくなりますようにと願っています。


<不登校は、選択?>
しばしば、
子どもが不登校を「選択した」
と言われることがありますが、
本人の自由意思によって「選択した」
という例には、出会ったことはありません。

一言では表せないさまざまな要因があって、
子どもが学校に行く力を失っていき、
なんらかのきっかけがあって、
最後の力がつきてしまった。

という状態が実態に合っています。


当然ですが、
子どもはまだ十分に
自立できてませんから、
その後の支援や対応によって、
不登校の経験が個人の成長に寄与するか
ぎゃくに
長期に社会生活から遠ざかってしまうか
が分かれると思います。

「本人が選択した」という認識ですと、
その後の人生も
本人に責任があり、本人の選択したことに
なってしまう危うさがあります。


<家庭、親への支援が重要>
今回の報告でも指摘されてますが、
「家庭への支援」
(「家庭への適切な支援」と言ってほしい)
が早期に届くと、
子どもたちの回復が順調に進んでいきます。

家庭への支援とともに、
子どもたちが自分らしく生きていけるように、
自立していくための「学力の保障」が
今後、どのように施策に盛り込まれていくのか、
注目したいと思っています。


<学校現場での支援>
先生方の多忙、長時間労働が
問題になって久しいですが、
文科省の「通知」が、現場で活かされるには、
学校に、人的、時間的余裕がないと
できないとも思うのです。

生徒対応に一生懸命かかっているとき、
我が子が調子を崩していても
十分かかわってやれず、
不登校になったという
先生もいらっしゃると聞きます。

今回の報告結果によって、
学校が、先生にとっても生徒にとっても
追い詰められない
余裕のある居場所になりますように
と願っています。

不登校の子どもを理解するために
「不登校ひきこもり相談室<こころのそえぎ>に
ご相談ください。
<関連記事>
不登校の回復段階を知っていると
少し余裕をもって
子どもを見ることができます。
<参考図書>

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