こころのそえぎ(福本早穂)です。
今日は、不登校の子どものきょうだい
への対応に悩むお母さんから
相談された話を書きます。
Kちゃんは、小学校のときから
勉強も運動も良くできる子でした。
体格も良く、
お友だちにもやさしいので、
先生やクラスのみんなから
信頼されていました。
小さな学校で約20人一クラス、
みんな仲の良い
おだやかな環境でした。
地元の中学に入りましたが、
この学校も小規模で、
幼馴染の多いクラスでした。
部活は前からやりたかった
テニス部に。
学級委員になり、
中学になって急に増えた宿題、
練習量の多い部活、
家から遠くなった通学路
小学校と同じように
がんばっていましたが
だんだん疲れがたまり、
学級委員など周囲から
期待される役割など
ストレスが重なり、
朝起きられなくなって
しまいました。
そして、夏休みの
1か月くらい前から
学校に行けなくなって
しまいました。
<「ずるい」と言われても>
Kちゃんには、5歳年下の小学2年の妹がいます。
お母さんは、妹に
「宿題しなさい」
というと、妹がKちゃんに
「おねえちゃんはずるい」
「おねえちゃんは
休めていいなあ」
というのが、胸に刺さるのでした。
Kちゃんは、
お母さんにそれがつらいと
訴えるので、
お母さんは、妹に
「おねえちゃんは、行きたくても
身体が動けなくなって、
行けないんだよ。
だから、ずるいとか
言われるとつらいんだよ」
と、伝えました。
妹は、Kちゃんには
直接言わなくなりましたが、
お母さんに
「学校行くのいやだなあ」
「おねえちゃんは、
どうして行かないの?」
「私はどうして
行かなくちゃいけないの?」
などと、言うようになりました。
お母さんは、このまま妹も
行けなくなるのではないかと
心配でなりません。
<きょうだいに対する関わり>
私の経験から言うと、
学校へ行っている子が
不登校のきょうだいを
「ずるい」などと言う時は、
本人が学校で
面白くないことがあったり
行くのが辛かったりしている時。
「あなたも何か
しんどいことがあるの?」
と、よく話を聞いてあげて下さい。
しんどいことがあっても、
それでも行っているということを
「頑張ってるね。えらいね。」
と褒めてあげて下さい。
(不登校の子どもが
聞いていないときにね。)
子供が学校のことを話してきた時、
それが楽しそうであれば、
つっこんでよく聞いてあげて、
「そう。それは楽しかったねー」
と、楽しい時もあるってことを
気づかせてあげて下さい。
どうしても親は
不登校になったKちゃんに
意識を集中しがちなので、
それを感じると妹は、
自分のほうを向いてほしい、
かまって欲しい
という気持ちが強くなります。
なのでお姉ちゃんの不登校を
話題にしてない時
妹に注意を向けて褒めたり
認めてあげたり、
スキンシップなどして
その子の甘えたい、
かまってほしい気持ちを
満たしてあげて下さい。
(上の子どもの場合も
同じことが言えます。)
きょうだいが不登校でも、
その子にとって、
学校に一つでも楽しみがあれば、
行く意味を感じられれば、
行くものです。
不登校になるときは、
過剰に日々のストレスが重なって
だんだんエネルギーがなくなり、
その結果
行けなくなってしまうのです。
お母さんは、
不登校の子どもだけでなく、
そのきょうだい、夫
祖父母など
家族関係で悩むことも
多いですね。
日々の小さなストレスも
重なると
大きな現象になって
出てきたりします。
小さな悩みや相談も、どうぞ
「こころのそえぎ」(福本早穂)
でお話ください。
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(事例は、特定の個人ではなく、
よくある事例を記事にしました。)
<関連図書>
不登校の子どもときょうだいへの対応も載っています。
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