こころのそえぎ(福本)です。
子どもたちにとって、
お正月は楽しいイベントが
盛りだくさんの期待に満ちた日です。
でも、不登校の子どもたちにとっては、
普段よりつらい時期なんです。
お正月には、両親の実家に遊びに行き、
新類縁者が集まることが
恒例になっている
ご家族も多いと思います。
学校に行っている従兄弟や、
自分が学校に行っていると
信じて疑わず
学校生活のいろいろを
尋ねる祖父母に会うのは、
とても気鬱です。
「学校のことを聞かれたら、
なんて言おうか?」
考えるだけで
行くのをためらうことでしょう。
<祖父母と父母の親子関係が影響する>
親から祖父母にあらかじめ
不登校であることを告げて、
子どもと話すとき
学校のことに触れないよう
お願いしておくのは、
ひとつの工夫と思います。
そのとき、祖父母が
どのように反応されるかは、
それぞれの親との関係によって
ちがってくると思います。
親が自分の両親
(子どもにとっては祖父母)
との関係が良好であれば、
あるいは自分の親に
認められているなら、
孫の不登校に対しても
受容的な態度で
接してくれる場合が多いです。
逆に、元もと祖父母が
親に対して否定的であれば、
孫の苦悩を理解できず
批判していることが多いのです。
もちろん、前者のほうが
子どもの回復は早く、
子どもは自分らしい
進路選択をして伸びていきます。
<遠距離の祖父母への配慮>
なかには、実家が遠距離なので不登校とは言わないで行く、
というご家族もあります。
その場合でも、
子どもは安心感もあるけれど、
祖父母に対して
学校に行っているふうを
装わなければならない
つらさがあると思います。
どちらにしても
正解はありませんが、
両親が自分の子どもの
つらさを理解し、
祖父母の家でできるだけ
安心していられるように、
という思いやりがあれば、
子どもはさまざまなつらい場面を
その子なりに
くぐりぬけていくと思います。
<M君の場合>
M君の両親は、
母方の祖父母が
近距離に住んでいるので、
中学校に行っていないことを
知らせないでは
いられないだろうと思い、
早くから報告していました。
祖父母は、自分の娘のL子さんには
心配をぶつけていましたが、
孫のM君にはなにも言わず、
普段と同じように接してくれました。
一方、父方の祖父母は
遠方に住んでいて、
お盆と正月に遊びに行く程度の
つきあいしかなく、
またかなり高齢だったので
心配させたくないという
父親のF夫さんの思いがあり、
M君の不登校を
知らせていませんでした。
お正月に遊びに行ったとき、
学校の様子を聞いてくる祖父母に、
懸命に話を合わせているM君を、
F夫さんはいじらしく感じていました。
あとで聞くところによると、
M君はトイレでこっそり
泣いていたのだそうです。
それでも、たまに孫を連れて
遊びに来るのを楽しみにしている
祖父母を気遣い、
お正月には必ず訪れていました。
数年後、M君が
通信制高校に通いだしてから、
L子さんは初めて夫の両親に
M君が不登校だったことを伝えました。
「本当のことを言わなくて
申し訳なかったけれど・・・」
というL子さんに、
夫の両親は
「あんたも大変だっただろうね。
毎年来てくれるたびに、
よく育っているなあと思ってたんだよ。
長い間学校へ行ってなかった
時期もあったけど、
ちゃんと育ててくれてたんだね。」
とL子さんを労ってくれました。
母方の祖父母も、
今では大学生になったM君と
一緒にビールを飲みながら、
不登校だった時代をふりかえって
「たくさんがんばったね」と
ほめてくれます。
正月、お盆、法事など、
子どもが小さいころから
知っている人たちが集まるところに、
不登校の今の自分を知られたくないと
思う子どもたちもいます。
親の方も、子どもが不登校になると
それまでの関係性から、
父方の両親に会いたくない気持ちが強くて、
お母さんだけ行かない、
あるいはその逆に
実家の両親に会いたくなくて
行かない、という人もあります。
一人一人の気持ちに寄り添いながら、
それぞれの家族関係を配慮しながら、
より良い方法がみつかるといいですね。
不登校の当事者だからこそわかる
つらさ、きまずさも
分かり合えると気持ちがラクになります。
京都山科にある
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不登校ひきこもり相談室
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冬休みに入る前日、担任の先生が 一度話をしたいから学校で会いたい、と言われて何カ月か振りに学校に出かけて行きました。進路を聞かれて、高校は行かないけれど、高校認定は受けたいと話した、と言っていました。もう、これを聞いて、すごくうれしくて、少し気持ちが楽になりました。
返信削除親御さんには言わないけれど、ちゃんと考えていらっしゃったんですね。成長が垣間見えてうれしいですね!
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