2018/12/20

不登校の子どもが医療にかかるとき~その2

こんにちは。
こころのそえぎ(福本早穂)です。




前回、不登校の子どもが医療機関にかかるときに
不登校に理解ある医師を選ぶことが大事と
と言いましたが、




前回の記事
「不登校の子どもが医療にかかるとき」






もう少し踏み込んでこのテーマを書いてみたいと思います。



頭痛、腹痛、など
強く身体症状が出ていると、
子ども本人もつらいので、
小児科や内科に行って診ていただくことがあります。





でも、検査して異常がみられないと、
「学校に行けないこと」を「治療」しようと
考える医師もいます。
抗不安薬を処方されたり、
昼夜逆転を直すための薬を出されたり、





でも、それで学校に行けるようになったという
例は、聞いたことがありません。
子どもは、頭がぼーっとするのがいやだったりするので、
すぐに飲まなくなってしまった
と聞くことが多いです。





親も、子どもの様子をみていると、
なんだかすごくだるそうにしていて、
服薬で学校に行けるとは、
到底思えないので、
その病院へは行かなくなります。





そして、病院を変えてみたら、
小児科や内科でも、ピンと来て
「学校たのしい?」
などと子どもに訊いてくれる医師もいます。









<薬漬けになった時代も>
20年以上前ですと、
不登校を治療しようとして、
薬漬けになったという話を
聞きます。




10年ほど前になりますが、
父親に連れられて高校生の男の子が
やってきました。
ほとんど話すこともままならない様子で、


「自分が自分でないみたい」


とだけ言いました。





学校に行けなくなり、
担任の先生から紹介された病院に
かかっているとのことでした。
お父さんは、息子さんを励ますばかりで、
ご本人はしんどさがわかってもらえなくて
つらそうでした。





学校に行かせるために「不登校を治療する」
というスタンスでは、
子どもはよくなるどころか、
しんどさが増していきます。




今のしんどい状態が改善されて、
家で楽に過ごせるように、
という目的で
医療にかかると、
回復していきます。




<休んでもいいと思える医師に出会う>
Kちゃんは、
腹痛がひどくて
中学校に行けなくなったとき、
かかりつけの小児科医に思い切って、


「学校行けてないんです」


と打ち明けたところ
さらっと


「行かなくてもいいんじゃない?」


と言ってくれて、
体中がほっとして緩んでいきました。





お母さんも、
それまでドアの外にかばんを放り出してでも、
登校させようとがんばっていたのですが、
信頼している医師がそう言ってくれたので、
休ませてもいいんだと
思えたのでした。




最初は薬をもらいましたが、
家でゆっくり休んでいるうちに、
Kちゃんの身体症状はなくなっていきました。





<親の違和感が子どもを救う>
Tちゃんは、体の不調でしょっちゅう中学校を休むようになり、
とうとう行けなくなってしまいました。




日によって、頭痛、腹痛、吐き気、貧血など
違う症状が出るので、
母親のN子さんは心配になり、
原因を調べてみようと大きい総合病院に
連れて行きました。




受付で内科の申し込みをしていると、
「思春期外来」を勧められました。




そこで、血液検査などしてもらいましたが、
異常は見つからない、ということで、
心理テストを持って帰って書いてくるようにいわれました。





なぜ心理テストをしなければならないのか、
説明がないので、
N子さんは納得がいかないままでしたが、
Tちゃんと一緒にテスト用紙を見ました。


「おもしろそうね。
 この問いで、なにがわかるんだろうね」


とTちゃんに興味を持たせたので、
Tちゃんは、クイズに答えるような感覚で
楽しそうに記入して次の受診日に持っていきました。



(心理テストをするときは、きちんと理由を説明して
患者の合意を得るべきですね。)





心理テストの結果がどうだったかは、
記憶にないけれど、
医師がTちゃんに


「女の子だから、学校へ行かなくても
将来結婚するからいいと思っているかも
しれないけど、
学校は行った方がいいよ」


と言ったので、
N子さんは
まるで、近所の中年おじさんが言うようではないか
と思い、内心腹が立ちました。





思春期の子どもの心身を診る
専門家なら、
専門的な経験や知識から
子どもの状態を説明してくれるのではないかと
期待していたからです。


その病院には二度と行くことはありませんでした。





その後、
N子さんは精神科医の講演を聞く機会があり、
会場から質問してみると、
Tちゃんの状態が理解できたので、
医師が開設している相談室に
Tちゃんと通うようになりました。




そこでは、
Tちゃんの状態を客観的に教えていただいたり、
良い対応の仕方を伝えてもらったので、
日に日に元気を取り戻していきました。



<母親の直感、違和感を大事に>
医療にしろ、相談機関にしろ、
母親の直感や違和感を大事にして、
合わないと思ったら、
他を探してみることですね。



親の会では、
多くの情報がきけると思います。
ご近所にあれば、一度参加してみられたら
いかがでしょうか?




京都市山科にある
親子支援ネットワーク♪あんだんて♪
の親の会では、
たくさんの情報が集まっています。
 HPはこちら




不登校ひきこもり相談室
「こころのそえぎ」(福本)にも
ご相談ください。
 HPはこちら




日々のちいさな心配事、気になること
ここでなら話せる場があります。



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心身の症状が出ているとき、合わせてお読みください。


「不登校の子どもが医療にかかるとき」


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