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2018/08/07

不登校の子はお盆休みがつらい。・・・L子さんの場合

こんにちは。
こころのそえぎ(福本早穂)です。


夏季休暇の間、お盆に
遠く離れた実家に家族連れで行く方も
いらっしゃると思います。

中学3年のL子さんも、
毎年家族みんなで父方の祖父母の家に
行くのが恒例でした。

叔父や叔母も家族連れで行くので、
いとこも多く、
小さい頃は、子ども同士で遊ぶのを
楽しみにしていました。






でも、L子さんが、
中2の夏休み明けから
学校に行けなくなってからは、
お盆に祖父母の家に行くのが苦痛でした。

いとこの中には大学生がいて、
有名国立大に行っていました。

叔母などは、憚ることなく自慢するので、
L子さんのお母さんは、
「また、あの息子自慢をきかされるのね」と
少し閉口しているようでした。

L子さんは、お母さんのそんな愚痴を聞くと、
学校に行けない自分が不甲斐なく、
情けなくなるのでした。

それでつい、お母さんに反抗的な気持ちになって、
「自慢できる娘じゃなくて悪かったわね」と
言わなくてもいい嫌味を言ってしまって、
自分がいやになることもありました。


<高学歴の家系の中の不登校>
L子さんの祖父と父親の兄にあたる叔父は
医師をしており、
L子さんの父方の親戚は高学歴の家系でした。

そんな親族の中で、自分が不登校なので
両親は肩身が狭いだろうと思うと、
L子さんはますますお盆に祖父母の家にいくのが
嫌になってきました。

「お母さん、今年は私、
おじいちゃんとおばあちゃんの家にいかなくてもいい?」
とL子さんはお母さんに言いました。

お母さんも、L子さんの気持ちを察して、
「L子が気が進まないならいいよ」
と言ってくれました。

お父さんは、
「なんだ。L子は行かないのか」と言っていましたが、
お母さんから事情を聴いて、
納得してくれたので、ほっとしました。


<親戚が集まるとき>
不登校の子どもたちにとっては、
親戚の集まるお盆や正月は
普段よりつらい時期なんです。

お盆には両親の実家に遊びに行き、
新類縁者が集まるご家族も多いと思います。

学校に行っている従兄弟や、
自分が学校に行っていると信じて疑わず
学校生活のいろいろを尋ねる祖父母に会うのは、
とてもしんどいこと。

「学校のことを聞かれたら、なんて言おうか?」
と考えるだけで
行くのをためらってしまうでしょう。


<親の原家族との関係が影響する>
親から祖父母にあらかじめ不登校であることを告げて,
学校のことに触れないようお願いしておくのは、
ひとつの工夫と思います。

そのとき、祖父母がどのように反応されるかは、
それぞれの原家族との関係によって
ちがってくると思います。

親が自分の両親(子どもにとって祖父母)
との関係が良好であれば、
言い換えると自分の親に認められているなら、
孫の不登校に対しても
受容的な態度で接してくれる場合が多いです。

逆に、元もと祖父母が親に対して否定的であれば、
孫の苦悩を理解できず
批判していることが多いのです。

もちろん、前者のほうが子どもの回復は早く、
子どもは自分らしい進路選択をして
しっかりと成長していきます。

なかには、実家が遠距離なので
不登校とは言わないで行く、
というご家族もあります。

その場合でも、子どもは安心感もあるけれど、
祖父母に対して
学校に行っているふうを
装わなければならないつらさがあると思います。

どちらにしても正解はありませんが、
両親が自分の子どものつらさを理解し、
できるだけ安心でいられるように、
という思いやりがあれば、
子どもはさまざまなつらい場面を
その子なりに健気に
くぐりぬけていくと思います。


<親にも支援が必要>
わが子が不登校になると、
これまで当然のように付き合ってきた
親類縁者とのつきあいが、
心の大きな負担になることもしばしば。

そんなとき、経験豊富な人に相談できると
親の気持ちも軽くなります。

親子支援ネットワーク♪あんだんて♪の
親の会
HPはこちら

不登校引きこもり相談
「こころのそえぎ」(福本早穂)
にもご相談ください。
HPはこちら

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